PC-9821 Xa9/C8

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PC-9801 RX21をほぼ限界まで増強してしまい、これ以上は費用対効果が薄くなってきたので、買い換えをすることにした。1995年7月頃である。Windows3.1は普及はしていたものの、まだDOSアプリケーションソフトが主流で、11月にはWindows95の日本語版が発売予定となっていた頃だ。
一足飛びにMS-DOSからWindows95へ移行しようとしたものの、アップグレード版の用意が約束されていたため、早々にMS-DOS 6.20+Windows3.1がインストールされていた「PC -9821 Xa9/C8」を購入した。定価で398,000円で、Pentium 90MHzの機械である。いわゆるDOS/Vマシンとどちらにしようか悩んだものだが、結局過去の資産を切り捨てられなかった。まだまだこの頃の主流はPC-9801シリーズだったし、ある程度ハードが分かっている後継のPC-9821シリーズの方が都合が良かった。

この頃になると社会人になっていたため、幾分金回りは良くなっていた。アルバイトをしながら必至に貯めて増強していたところ、ボーナス2回でなんとかなるところまできていた。
それにあまり値引きをしないPC-9801シリーズだったが、この機種あたりから特に割引額が大きくなっていたため、色々同時に購入した。
今だとモニターくらいは壊れるまで使うのだが、そもそもモニターも固定解像度専用から複数解像度表示へ進化していたので、買い換える他なかった。
やっぱり音が鳴らないと寂しいので最初からサウンドボードの「Sound Blaster 16 AYM」を追加したのと、メモリーも16MBを追加した。AYMの型番はPC-9801-26K互換のチップが追加搭載載されていたものだ。所有している古いサウンドボードから引っこ抜いて移植しようかと思ったが、PC -9821 Xa9は3.5インチ1ドライブのみだったため、旧作の5インチフロッピーのゲームを楽しむ事が難しかった。そのためPC-9801RX21も、しばらくはそのまま残していた。
メモリーは最初から8MB(7.6MB)搭載されていたが、PC-9801RX21は11.6MBへ増やしてしまったことから、仕方なく?増設をした。減るのはとても嫌だったので24MB(23.6MB)になって満足したものだった。

PC -9821 Xa9の初期セットアップを終わらせてバックアップディスク等を作った後、最初に行ったのはフォーマットだった。
正確には850MBのハードディスクが搭載されていたのだが、650MBと200MBのパーティションに分けて、AドライブとBドライブのデュアルブートにしておくことだった。
後々Windows95とMS-DOS+Windows3.1を切り替えて使用できるようにするためだ。ソフトウェアのインストールなどを行うと、後々移行が面倒だったからである。
ちなみにPC-9801シリーズの場合、パーティションを分けてそれぞれに適切にOSをインストールしておけば電源投入時に[TAB]キーを押しっぱなしにしておけば簡単に切り替えができた。

MS-DOSについては超高速だった。重いと言われていた一太郎4.3はエディタのように軽やかだった。メモリーについては最初から余っているような状況だ。何も不満は無かった。
Windows3.1については、最初からグラフィックアクセラレーターが搭載されていたため1024*768の解像度で表示ができた。今だと小さい画面になるが、640*400の解像度しか知らない世代からすると、とても広い画面で驚いたものだった。PC-9821Xaシリーズ用のデモCDが付属していたのだが、その動画には驚愕したものだった。今では動画再生なんて当たり前だが、小さいながらも動画が再生できること自体が信じられないような進化だった。しかも音質もそこそこ良かったのだった。フロッピーディスクじゃ絶対無理だしCD-ROMの効果も含めて、口をあんぐりさせながら何回も再生させていたのを良く覚えている。

Windows3.1自体も、当時の最高スペックに近いCPUだったのでキビキビと動いており全く不満はなかった。ただWindows3.1は所有するソフトが無かったので、結局あまり使用することはなかった。MS-DOS 6.2の環境をメインにして、Windows95の発売を待つワクワクの毎日だった。

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