PC-9801 RX21の限界

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毎年の様に機能追加をしていたPC-9801 RX21だったが、Windows95への移行を前に現役引退を突きつけられた。拡張スロットは全て埋まり、もはや機能拡張することもできなくなっていた。
スロットは

  • Cバス用メモリー4MB+4MB
  • サウンドボード
  • ミュージ郎Jr.BOARD
  • SCSIカード

という状況である。これに3MBの専用プロテクトメモリも追加して、当時としては11.6MBと大容量のメモリーを搭載していた。今思うと性能に対して積み過ぎである。
電源投入時の640KB+3072KBまでのメモリカウントは高速に進むが、それ以降はCバスのメモリーになるので途端に遅くなるのが分かった感じだ。640KB+11264KBの表示を最初に見たときは興奮したが、ここまで来るとだんだんとイライラしてくるような遅さだった。
そして電源を入れて運が悪いと

と悲しげなエラーを出すのであった。

当時残していた記録を見るとハードディスクの実効転送速度は200KB/s程度だったようだ。ほぼ全てのソフトウェアについてオンメモリで動作させることができたので、2MB/s程度までは高速化することができており起動できてしまえば快適だった。加えて1ドライブだが外付けの3.5インチの3モードフロッピーディスク装置も追加しており、当時普及を始めていたDOS/V機とのデータ交換も万全だった。

MS-DOSのPCとしてはまだまだ十分利用できる環境だったが、ここまで増強してもWindows95はとても動かせるようなスペックではなかった。そもそもインストールが弾かれるのだ。時代はPentiumに移行しつつありクロックは遂に100Mhzに到達した。たった5年で単純に10倍も速くなってしまった。
後日、中古のグラフィックカード「GA-1024A」を手に入れ「ミュージ郎Jr.BOARD」と入れ替えてみた。せめてWindows3.1位は動くのでは?と興味本位で入れてみたのだが、確かに動くが全く実用的では無かった。

今でもWindowsがバージョンアップすると、ほぼ強制的にPCも交換が必要になってくるが、その比ではなかった。異常に進化スピードが速く、そして金食い虫だった。

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