PC-9801 RX21

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もう今は手元にないが、NEC製 PC-9801 RX21はとても思い出深い機種だ。
Windows95以前はコンピューターと言えば、ほぼNEC製のPC-9801シリーズを指していた。もちろんX68000だとかFM TOWNS等の機種もあったが、どちらかといえばホビー向けで主流ではなかった。
ほとんどのソフトがVM以降、ちょっと重いソフトはVX以降となっていたが、その双方を満たす機種で息の長い利用ができた。

このPCはまだ高校生の時で、1989年12月に手に入れた。
11月に新機種が発表され本体価格がぐっと下がった。下がったと言ってもエントリー機で定価338,000円もした。
小学生くらいから貯めた貯金をはたいて、なんとかギリギリ購入できる金額まで落ちてきたのだった。
親は何故か購入に猛烈に反対していたが、自分で貯めたものだったから最後には折れた。おもちゃに数十万円も使うのは、頭がおかしくなったと思ったらしい。たしかに理解できない代物だっただろうが、自腹で購入しただけあって習熟速度は人並み以上だったと思う。おかげで今でもその道でご飯が食べられるし、費用対効果は抜群だった。

予算が本当にギリギリだったため、通常の量販店では予算オーバーになってしまい購入ができなかった。
仕方なく「マイコンBASICマガジン」に毎月常連として広告を掲載していた、怪しげな通販会社から購入したのだった。
それでも、本体+モニター+ゲーム1本サービスという内容で30万円強もした。
当時はWEB通販など無いわけで、電話で直接注文する形だ。

おっちゃん
おっちゃん

はい。。。○○です。。。

Nouno
Nouno

PC-9801 RX21のセットが欲しいんですけど

おっちゃん
おっちゃん

どこかの広告でみた?

Nouno
Nouno

「マイコンBASICマガジン」です

おっちゃん
おっちゃん

あー、そこにはいくらって書いてある?

Nouno
Nouno

○○円って書いてあります

おっちゃん
おっちゃん

あーじゃあ、その金額を振り込んで。広告に振込先が書いてあるから。

話し方からして怪しいし、なんで客に金額を聞くんだ?と、ますます怪しかった。ここで止めたかったが、お金が無く背に腹は代えられない。
ゲーム1本サービスというのも大変怪しく、何のゲームだろう?と思っていたのだが、実際には違法コピーされた麻雀ゲームだった
後にこの会社は摘発された。
そういう会社から購入したのだった。

このPCの付属ソフトは、N88-日本語BASIC(86)だった。今はPCを使えるといえばEXCELが使えると同義な気がするが、この頃はBASICと呼ばれる言語でプログラミングができることが前提だった。何か設定変更するにも、本体全面にある物理的スイッチや内部のジャンパーピンを変更しなければならなかった。それなりに機械に強くないと使いこなすのは困難だったと思う。
半年くらいは怪しい麻雀ゲームと「マイコンBASICマガジン」に掲載されていたゲームを入力して遊んでいた。

その後アルバイトをしては、FM音源ボード、メモリー、ハードディスク、MIDI…などと少しずつ強化していき、Windows95が発売される直前まで強化していった。
とにかく一番お金をかけたPCだった。

2008年までは動態保存していたが、最終的に引越しを機に処分した。
このPCはPCリサイクルの対象外でモニターもブラウン管だ。
廃棄するにも最後まで金のかかる奴だった。

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