前編より

土浦北ICを降りるとバス急に自然いっぱいな山道を走る。既にハイボールは空になり待ちきれない状況だ。
気がつくと八郷蒸留所に到着した。写真奥に見えるのは筑波山。天気も良くとても美しい景色。

まずはビジターセンターに案内される。小さな蒸留器が待ち構えておりワクワクさせてくれる。
こちらでは有料試飲などもできるのだが本日は我慢だ。

この八郷蒸留所にコンパクトに施設がまとまっている。

まずは粉砕棟だ。1袋1トンの大麦をこちらで粉砕する。Crisp Maltを使っているようだ。クラフトビールもこの大麦を使う業者が多い。

ウイスキー蒸留所に来た!と思わせる場所だ。もろもろの樽の説明などを受ける。説明の中でバーボン樽の香りを楽しませてくれた。よくよく見るとワイルドターキーの樽を再利用しているのが見つかった。ウイスキーのボトルが置いてある下の樽の左から2番目の文字が書いてある樽がそうだ。ケンタッキー州からどのような経緯でこちらに来たのだろうか。

「樽を焦がす」との説明があったので、こちらでチャーはやっていますか?と尋ねたら、まだ試行錯誤中の様だ。リチャーと言いますと言っていたので新樽ではやってなさそうだ。
手作業でガスバーナーを使用してあぶったりしているらしい。ちょっと見てみたい気もするが、さすがに難しいのであろう。

その後、糖化槽、濾過器の説明などを受ける。
濾過器の目は少々粗いのだが、麦の殻そのものがフィルターの役目をするそうだ。写真の様に麦汁が層になっており上澄を使う。

ウイスキーの蒸留所といえばポットスチルだ。ストレートヘッドの蒸留釜と再留釜の2つ。ノーズが通常より角度が薄かった。質問をしてみると荒々しさを出すためだそうだ。
ここへは通常入れないらしい。食品工場なので衛生白衣に着替えることが必要で、ツアー客のみの特権の様だ。


その後、熟成庫に移動する。
熟成庫の樽はバラバラな感じ。まだまだ数も少なく観光用の展示などができないのだろう。樽の積み方は主にラック式、ダンネージ式、パレット式とあるのだが全部ある。ここまでバラバラな感じは初めての光景だ。それぞれ一長一短あるのでどれが良いとは言えないし複数の貯蔵の仕方をしている蒸留所もあるのだが、まだま試行錯誤している状況なのだろう。樽を集めるにも一苦労している様に感じた。
ちょうどお昼の時間になり、ランチと一緒にお待ちかねの試飲タイムだ。

試飲は3種類。全部シングルカスクだ。そのため一期一会のお酒になる。
バーボンバレル2459
標準的なウイスキー。ノンピートのウイスキーなので薫香のクセは全く無い。おそらく5年未満の熟成。甘みとバーボン樽の香りを感じるがかなり若い。これと言った特徴にかけるのだが飲みやすい。マニアにはちょっと物足りないだろう。
ラムカスク5101
バーボンバレルとは違う香りと、フルーティーな深い甘みを感じる。色は薄め。やっぱり若くクセは無い。一番飲みやすいだろう。
プラムリキュール2356
おっと!ちょっとこれは面白い。香りと風味がなんだか違う。ちょっと苦味や渋みを感じる。梅酒樽を使用しているとのことで、おそらくこのカテゴリのウイスキーは初めてである。梅の香りは感じないのだがフルーティーだ。最も色が濃いのだがワイン樽が影響しているのだろうか?まだまだ熟成が足りないイメージでやっぱり若い。ただ他と違って尖っている感じが良い。
3種類については、ストレートで香りと味を確かめた後、加水用の水でトワイスアップにして再び味わった。おかわりができるのかと思っていたのだけど、そうでは無かった。残念。

少々遅れてランチが届いた。本当はこちらと合わせて頂くのが正解だったようだ。
生ハムをメインとした物で、ここ八郷蒸留所で作られている。正直赤ワインと合わせてみたかったが、ウイスキーも飲み干してしまい残念ながらお水だけだ。
一番美味しかったのはスープに入っているソーセージだった。
とりあえずランチが終わると自由時間である。マニアックな場所も含めて再見学する。写真に人が写っていないのは、一人でゆっくり廻ったからだ。本当は案内板なんかも用意されていたが撤去されていた。
その後に折角なので日の丸ウイスキーを購入することにした。
プラムリキュールとやらはあるのだろうか?

えっ!
いきなり「プラムリキュールカスクフィニッシュ2356」というボトルを見つけた。説明を見ると八郷蒸留所限定商品じゃないか!というか2356ってさっき飲んだ奴じゃ無い?
いきなりの再会だ。試飲済みなので9,900円はちょっと痛いが迷わず購入する。
試飲票にはプラムリキュールと書いてあったが、箱にはフィニッシュと記載されている。情報がバラバラだし何だか物足りないよ。
気になって仕方が無いので帰宅した後、木内酒造に直接メールで問い合わせてみた。翌営業日の午前中に返事があった。とても早い!
「八郷蒸溜所で蒸留したモルト原酒を、赤ワイン樽で約3年、その後、弊社の「木内梅酒」を樽熟成させた後の梅酒墫に移しさらに1年後熟させた商品でございます」
とのこと。これは木内酒造さんでしか作れないオンリーワンの商品じゃ無いか!八郷蒸留所限定なだけある。
逆に大手メーカーじゃ作るのは難しいだろう。この商品について色々ホームページ等を探したけど、どこにも情報が無かった。是非もう少し積極的にアピールした方が良いと思う。良い買い物をした。
もしも木内酒造の日本酒樽フィニッシュとか出たら絶対買うね。ちなみに日本酒樽フィニッシュは実際に存在し「シーバスリーガル 匠リザーブ 12年」がそれだ。
時間が過ぎてバスが出発しようとするのだが、皆さんおかわりタイムでなかなか出発しない。
自分も5杯目だ。今回は「日の丸ウイスキーKOME」のハイボール
酒米を使用したウイスキー。こちらはちょっと面白い。確かにお米を感じるのだ。甘い香りに特徴が有る。
なるほど。。。
と味わいながら常陸野ネストの額田醸造所に向けて出発した。
続く
コメント