宮城峡訪問とナインディケイズ

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昨年余市での素敵な思い出ができたあと、とても宮城峡に足を運んでみたくなった。余市蒸溜所には何度か足を運んだ事があるが、宮城峡蒸溜所は1回だけだ。
ちょっと前に行ったよな?とか思って調べてみたら、実に25年も訪問していない。

ちょうどこの時期に「JR東日本たびキュンパス」というのが発売された。平日のみであるが1日間用なら往復の新幹線代も含めてどこまで行っても1万円だ。通常の半額以下の料金で宮城峡まで行ける。
このチケットは結構人気で1ヶ月前の10時に発売されるのだが、朝一の新幹線は30分もあれば売り切れてしまう程だ。
折角行くのだからと有料セミナーを申し込みしようとすると金土日月のみである。
シャトルバスが作並駅からでているのだが、こちらは金土日祝のみだ。
となると必然的に金曜日がターゲットになるので平日の金曜10時にチケット取りを頑張ってみた。
噂には聞いていたのだが10時と同時にえきねっとのサーバーは重くなり、サーバーエラーと格闘しながらの争奪戦となったが、なんとかチケットを入手できた。

宮城峡の方は毎月15日に翌月のスケジュールが公開される。有料セミナーがあるかどうかも分からなかったが先に新幹線のチケットだけを購入した形だ。
余市、山崎、白州のあたりの見学は今プラチナチケットと化しているが、宮城峡は知名度の問題か少々不人気である。
公開された2/15の昼に予約を取ろうとすると「宮城峡キーモルトテイスティングセミナー」は既に埋まってしまっていた。不覚。しかももうひとつの「ニッカのウイスキーを知るセミナー」も残り5人とかだった。迷わず予約を入れるも翌日確認したら全て埋まっていた。現地で気がついたのだが、キュンパス+宮城峡の軍団だらけだった。考えることは皆同じである。

本当は10:30からセミナーを受ける予定だったのだが13:30からになってしまった。
予定を変更して瑞鳳殿とかを見学してから行くことにした。
るーぷる仙台で行こうとしたらバスは激混。最後の一人としてなんとか乗る。瑞鳳殿で半分以上は降りただろうか?考えることは皆同じだ。
仙台駅ではキュンパス利用者に対して10時から12時の間、tekute diningの1,000円引クーポンを配っていた。そのため仙台駅へ10:30頃に戻ってきたのだが、既に配布は終わっていた。おそるべしキュンパス。

後でもちろん行った日本酒の自販機

ちょっと時間が余ってしまった。
「エスパル仙台 東館2階」にある藤原屋さんの地酒自動販売機で時間を潰そうと思ったのだが、先に酔っ払ってしまうのは何だか違う気がして、早めに作並駅へ向かう。

作並駅に到着。ニッカウヰスキーの看板を見つける。
駅を出ると、もうシャトルバスが待っていた。
またまたギリギリの人数でバスに乗る。あっという間に宮城峡に到着だ。

一度来たことがあるはずなのだが、全く初めてと変わらない。
見覚えの無い景色ばかりだった。25年の時の流れを感じる。

外にポットスチルや樽なんかあっただろうか?
もっと寂れた感じで、蒸留所の記載が無ければ何の工場だかわからない感じだった記憶がある。

早速受付を済ませると、簡単な博物館的なものが広がる。
アップルワインから始まるボトルの歴史は面白い。
ただ余市にあるニッカミュージアムの方が遙かに充実している。
自由に見学できるところはほとんど無い様で、ショップとその隣の貯蔵庫位で見るところが無い。見学するのであれば予約が必須だ。

仕方なくスマホで時間を潰す。
こんなこともあろうかと、povoのギガ活で得た「2日分のローソン訪問 200MB」「アトリエpovoで当たった500MB」半年前に「【全額還元】1GB(180日間)を買うなら今!」で購入したデータの計1.7GBが本日用意した無料通信データだ。

ニュースなんかを見ていたら時間になった。セミナーの開始である。
席は指定されている。目の前には既に試飲用ウイスキーが用意されていた。
よく見るとロゴのポットスチルは、ちゃんと宮城峡だ。上向きラインアームのバルジ型。
飲んでから見学かと思っていたら、荷物だけを置いて出発となった。

この写真だけ晴れているが全部同じ日だ

さっそくキルン棟へ向かう。ここからは立ち入り禁止エリアだ。
隣には連続蒸留器があるのだが、危険とのことでこちらは基本的に見学禁止である。
ただマイウイスキー塾など特殊なルートだと見学させて貰えるようだ。

この建物でピートを燃やして麦芽を乾燥させる。とはいうものの現在はシンボル的な建物になっており使われていない。余市も同じだ。大変な作業なので今は輸入したモルトを使用している。

余市のキルン塔内の炉 通常は非公開で火も付いていない

当たり前なのだが余市に比べて宮城峡の方がかなり近代的。余市もキルン塔は見学できるのだが入口で閉ざされており炉が反対側にあるため直接見ることができない。イメージは宮城峡の方がつきやすいかも。
ただ余市はマイウイスキーづくり等に参加すると見学が出来るし上にも上がれる。
余市の方が歴史を感じるのは言うまでも無い。

この後、発酵槽やマッシュタン等も見学したのだが素通りに近い。興味があったのは自分くらいだろう。写真を撮るために立ち止まったのは自分だけだった。。。
そしてお待ちかねのポットスチルである。宮城峡はスチーム蒸溜なので余市よりも近くで見学ができる。思ったより暑くないしむしろ寒い。ラインアームが上向きのバルジ型だ。余市とは全然違う。

その後、6番貯蔵庫を見学。こちらは通常鍵がかかっているようで、見学時のみ開けるようだ。樽の説明なんかを受ける。
この場に居て気がついたのは自分だけだろう。
左の樽に比べて右の樽は新樽だ。しかも年の入った旗が立っている。
後で写真を拡大して分かった。やっぱり「宮城峡マイウイスキー塾」の樽である。
余市に当たってから毎年何回も応募していたのだが全く当たらない。現在はコロナと増産のため開催していない憧れのツアーだ。死ぬまでには参加してみたいのだが、仮に参加できても生きている間に飲めるかも分からない。何とか早めに復活してほしいものだ。

一通り見学が終わると座学。そして試飲だ。
用意されていたのは5種類。残念ながら買えば飲めるものばかりだが、どれも今となっては比較的入手困難なものだろう。「ニッカフロンティア」が一番手に入りやすいとは思うが終売なのでまもなく手に入らなくなるだろう。今後は業務用に卸すとのことなのでお店で楽しむ分には問題ない。このウイスキーはこの価格帯では珍しい「ノンチル」なのだが、その説明があった。用語の説明もあったが知らない方が普通だろう。通常はウイスキーの白濁やおりを防ぐために冷却して濾過をするのだが、それをしないウイスキーの事だ。まさか宮城峡で「ノンチル」の用語を聞くとは思わなかった。ウイスキー専門店でしか聞いたことが無い。

そしてお待ちかねの有料試飲だ。
本日用意されているウイスキーはこれ。余市もそうだったが宮城峡に来てブッシュミルズとか飲みたい人がいるのだろうか?
アイリッシュウイスキーなので、竹鶴政孝氏が修行していたスコットランドとも違うので関係があまりない。
この中に予想だにしなかったウイスキーがあった。

ザ・ニッカ ナインディケイズ
このウイスキーは、2024/7/24と10/22に日本と海外に1,000本ずつ、計4,000本しか無い希少なウイスキーだ。値段も税込33万円である。
おそらく当たった人の半分位は転売目的だろうし残りはコレクターだ。飲まれることも無く保存されるのだろう。ほとんど消費目的では市場に出回らないはずだ。高級なBARとかには置いてあるところもあるだろうが、おそらく1杯5万円位は取らないと元が取れないし、一見で飲ませて貰えるようなウイスキーでも無い。開けてしまうと香りが飛んでしまうことから、それなりに短期間で消費されることが予想される店舗になるので、かなり限られたところだけだろう。基本的に飲みたければ自分で買うしかない。
お酒は飲まれて初めて完成する物だと思っている。そんなお酒が目の前に現れたら飲んでみるしか無い。普通の方は15mlで1万円はぼったくりのイメージだろう。ただこのお酒については原価を考えるとかなり良心的。ちなみに余市には無かった。

早速注文する。クレジットカードは使えたがタッチ決済は許されない。
ゆっくりと注がれるナインディケイズ。この時点で良い香りが鼻を抜ける。置かれたボトルが神々しい。
もう一つは宮城峡のシングルカスク10年。これもここでしか飲めない。

まずはナインディケイズ
鼻を近づけると樽香が普通じゃ無い。そして複雑な香りが鼻を抜ける。色も濃く若い樽には出せないだろう。芸術的なイメージで初めての体験だ。グラスをゆっくり回すとそれらが一気に襲いかかってくる。まさにザ・ニッカという感じ。
ゆっくりと一口飲んでみる。1945年の余市モルトを使用しているとのことだが、とても歴史を感じさせる。10年程度では出せない味だろう。最近流行のクラフトウイスキーでは絶対無理だな。様々な蒸溜所の樽を使用しているだけあって、味も大変複雑だ。とてもおいしいウイスキーだ。
とても量が少ないのだが、水を加えてトワイスアップにもしてみた。
それでも力強い樽香と風味は落ちない。むしろ増しているようにも感じて大変飲みやすい。個人的にはストレートよりトワイスアップの方がお勧めだ。
ものの2~3分であっという間に飲みきってしまったが、1万円の価値のある体験だった。
大変美味しいウイスキーであることには間違い無いのだが、自分に取ってベストというウイスキーでは無かった。なんとなく折角の麦感がちょっと弱めに感じた。ウイスキーが高騰する前からのファンなので、やはり価格がちょっと高いかな?これも飲んでみないと分からない。
もしかしたら舌が老化で分からなくなっているのかも知れないが。。。
かなり昔なのだがサントリーで「ウイスキー、麦茶で割って、アカプルコ」というCMをしていた時期があった。なぜかこのウイスキーを飲んで思い出した。もう一度このウイスキーを飲みたいと言われたら麦感を増すために是非麦茶割りで試してみたいが、許してくれるBARもなかろう。麦茶を持って再訪しようかと考えている。。。

次に宮城峡のシングルカスク10年。
まず香りを楽しむ。さすがにナインディケイズの後だと香りが薄い。ただ柔らかい甘めの香りが広がる。
そして一口飲む。
ふははははは!だめだこりゃ。ナインディケイズが強すぎる。ちゃんと水で口をゆすいだのにまだ残っている。貴重なシングルカスクをただの安酒にしてしまった。
再度大量に水を飲んで再トライ。
余市に比べてクセが無くフルーティーだ。樽香を感じるが強くは無い。甘い香りが上品なイメージ。ただナインディケイズが強すぎで、ちゃんと試飲ができなかった、逆順で頂いた方が良かったと反省。

そんなこんなで時間だ。15:30のバスのタイミングを逃すと、次は17時まで電車が無い。
後ろ髪を引かれながら早々に25年ぶりの宮城峡を後にした。

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