スクリーンセーバー

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MS-DOSからWindowsになって、意味も無く楽しむ機会が増えたのはスクリーンセーバーの画面かも知れない。
ブラウン管ディスプレイの時代は、同じ画面を表示し続けると画面が焼き付いてしまい、場合によっては文字が読めなくなることがあった。
特にMS-DOSの時代は、画面再下段に表示されるファンクションキーの白抜き文字が良く焼き付いてたものである。今でも有機ELディスプレイなんかも焼き付きを起こすが、昔のブラウン管を思えば気にするほどでも無いだろう。

Windowsになり、しばらく操作をしないと自動でスクリーンセーバーが起動するのは画期的だった。MS-DOSにもフリーソフト等であるにはあったが、スクリーンセーバーは全く考慮されていなかったため相性などの問題もあり素直にディスプレイの電源を切る方が一般的だったろう。
Windows10以降になると標準設定のブランク以外を設定している人は少ない気がする。そもそもWindows7まではスクリーンセーバーの設定は分かりやすかったが、Windows10以降は何処に行ってしまったのか不明な方も多いかも知れない。もはや遺物の扱いである。
Windows95時代というかWindows3.1よりも現在は標準で設定できるスクリーンセーバーは減っており退化している気がする。OpenGLの迷路なんかはXP時代にはもう無くなっていた。
「.scr」はスクリーンセーバーの実行ファイルなのだが、今時だと知っている人も少なく、もしも入手したらウイルスの可能性の方が高いだろう。

Windows95からWindowsXP位までは、有料無料問わず様々なスクリーンセーバーが用意され楽しんだ物だ。有料だと水槽の中の魚が泳ぐ「アクアリウム」等が有名だった。
標準だと「3Dパイプ」を選択する人が多かったかも知れない。
インターネットが常時接続になると、広告とともにニュースなどを表示してくれるサービスなどもあった。いくつかタケノコのようにサービスインをしていたが、最初は物珍しかったが結局は席におらず見られないものなので、すぐに撤退していた。
宇宙人探査用ににSETI@homeというスクリーンセーバーもあった。スクリーンセーバーとして起動すると宇宙人探査のプログラムを動かし、1台だと難しい計算を分散してスーパーコンピュータ以上の結果を得ようとする物だ。1999年5月17日に公開され2020年3月31日に終了してしまった。結局宇宙人は見つからなかったがロマンはあった。

かなりスクリーンセーバーだが少々問題があった。
実のところスクリーンセーバーはCPUパワーをかなり使うのだ。節電しているようにも思えるが、通常の文字入力やブラウジング時よりも電気代がかかるのである。特に3D関連は酷く、サーバーで使用するとパフォーマンスが著しく落ちるのが分かるほどだ。
昔はサーバーのチューニング等を依頼されていたものだが、パフォーマンスがでないサーバーは大抵3Dのスクリーンセーバーが動いていた。
これをブランクにするだけで、かなりのパフォーマンスアップになったものだ。
もしかしたらそれを防止するために、今は分かりにくい場所にあるのかも知れない。

90年代のIT関連企業だと「探さないでください。。。」というテキスト文字をスクロールさせるスクリーンセーバーが何故か流行った。色使いも毒々しい感じだ。最初は面白がっていたが笑えない状況でもあった。今よりかなりブラックな業界だったのは間違いない。

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