エクストリーム・アブサント・リファイン

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ヨーロッパを中心に作られている薬草酒の一つで「アブサン」と呼ばれるカテゴリのお酒だ。
ニガヨモギを原料としており医師のピエール・オーディナーレが発案した。これも薬が原点である。フランスでは1797年に製造が開始された。
ワインより安いアルコールの一つだったため、多くの犯罪者や中毒者を出すほどの人気だった。画家の「ゴッホ」も愛飲していたことでも有名で、自ら耳を切り落としたのもこのお酒が原因と言われている。

ニガヨモギの中にツヨンという成分がある。
このツヨンだが、大量に飲むと麻酔効果や嘔吐反応等がみられる。
さらに飲むと幻覚、錯乱、痙攣等がみられ習慣性もある。
アルコールとツヨンでダブルで逝けるお酒なのである。
多くのアブサン中毒者がでてしまい、スイス・ドイツ・アメリカ等で次々に製造が禁止され1914年にフランスも禁止したが、スペインやポルトガル等は禁止されず製造が続けられた。一応、日本も禁止されていない。
1999年にWHOからツヨン残存許容量10ppm以下なら、健康に問題が無いとのことで復活した経緯がある。
ちなみにニガヨモギを数キロ摂取しないと向精神作用は無いので、普通に楽しむ分には全く問題ない。

さて「エクストリーム・アブサント・リファイン」だが、ゴクゴク飲むようなお酒ではない。見た目が薬瓶のようだが、キャップがスポイトになっておりアルコールも70%ある。ちなみにアルコール度数は消毒用アルコールとほぼ一緒だ。本当に薬のようである。
ビールやカクテルなんかに垂らして味変を楽しむお酒だ。コーラやジュースなんかにも良く合う。

アブサンは水と混ぜると白濁するのだが、こいつもきちんと白濁する。ただアブサンは通常緑色をしているのだが、こいつに関しては黄色4号と青色1号で色づけしてあるのが気になる。

このお酒は、基本的に直飲は禁止だ。大量の摂取もダメである。ピクトグラムで表示されているので文字が読めなくても意味は分かるだろう。
直飲してみたい場合は、手の甲などに付属のスポイトで1滴垂らしてから舐めると良い。
まず本当にアルコール消毒しているような気分を味わえる。試しに伸ばしてみるとすーっとする。その後、ほのかな独特の香りが漂う。薬っぽいが嫌な香りでは無い。
実際に頂くと思ったよりアルコール感を感じない。糖分が無いので非常にドライな感じ。苦味が先に来るが、鼻に抜ける独特の香りが楽しい。ウンダーベルグに近い感じだ。正直何滴でもいける。
ただ本当に調子にのって一気に数滴頂くと、ちょっと酔うのが分かる。
水に薄めて頂くとわかりやすいが、やっぱり味付け用のお酒な感じで、何かにちょっぴり混ぜて頂く方が美味しい。
角砂糖に1適垂らして舐めると、ちょっとしたお菓子のようである。

自宅で何か変わったお酒と言われれば、まずこれである。実際にバーでもほとんど見かけたことが無い。みかけたらバーテンダーに頼んで一杯作って貰うことをおすすめする。

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