このお酒は1938年から続くロングセラーの商品だ。大日本果汁株式会社の商品で後のニッカである。同社のウイスキーより早く販売された。
当時リンゴジュースを販売してた竹鶴政孝は、品質のこだわりが凄く高価な果汁100%のものしか出荷しなかった。しかしながら当時の日本人の口には少々合わずそのため全然売れなかったようである。
しかもリンゴジュースは時間が経ってしまうと濁ってしまい、返品の山を築いた。
この返品ジュースを使ってアップルワインを製造し、そのアップルワインを醸造してブランデーを作ろうとしたのがニッカウヰスキーの始まりである。
もちろん、そのためにはウイスキー作りでも必須なポットスチル(蒸留器)が必要だ。リンゴは主に秋の商品なので、それ以外の季節は大麦を醸造していた。まぁウイスキーだ。
このアップルワインは余市工場のお土産用に、工場の写真が写ったラベルが貼られたものが販売されているが、実際には青森にある弘前工場で生産されている。ここは国産リンゴ100%のスパークリングワインである「ニッカシードル」の生産で有名だ。
ボトルデザインは創業当時とほとんど変わらず、歴史を感じさせるものである。
さてこのお酒だが非常に甘い。そのため食事と合わせるのは困難である。
余市の工場見学でも「アップルワイン」を試飲することができるのだが、最後に飲む方が良い。こちらを先に飲んでしまうと口の中にアップルワインが残ってしまい、ウイスキーの味が分からなくなってしまうのだ。
食事の後にスナックなんかをつまみながら飲むには適している。アルコール度数は22%あるので結構酔える。
おすすめの飲み方はソーダ割りだ。それも強炭酸が良い。
通常ソーダ割りは、お酒1に対してソーダ3で割るのが一般的だが、このお酒に限っては1対1が最も美味しい。非常に味が濃く、それでいてすっきり飲める。とあるバーで教えて頂いたレシピだ。
試しにレモンやライムも加えて色々配合を変えて試してみたが、やっぱりこれが一番だった。プロは凄い。
アルコール度数は半分になっても11%もあるのだが、そこまで高いとは感じられない。口当たりも良くグイグイ飲めてしまうのだが、2~3杯も飲めばベロベロになってしまうので注意が必要だ。
このお酒は非常に安いのだが、マイナーなのか売っているところをあまり見かけない。
もし特売などで見つけたら、是非試して頂きたい商品である。
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