近代五種 オリンピックで佐藤大宗選手が銀メダル

この記事は約3分で読めます。

まさか自分が生きている間に、オリンピックの近代五種でメダルと取るとは思わなかった。
もの凄い快挙だ!
2023年のワールドカップソフィア大会で銀メダルだったので期待はしていたのだが、今まで入賞も遠かったのでちょっと意外だった
実は密かに近代五種ファンなのだが、あまりにも知名度が無いため誰にも理解して貰えない。
佐藤選手の細かい経歴はUIPMのサイトで確認できるが、このサイトを知っているマスコミも少ないかも?

自分は東京であった2019年のワールドカップも見に行ったし、東京オリンピックのチケットもA席で取っていた。コロナで無観客になってしまい大変悔しかった思い出がある。
今回はビデオ配信で視聴したが、当然日本語の解説なんかは無い。ある程度ルールが分かってないと楽しめないわけで、日本で何人がリアルタイムで視聴したのだろう。。。

2019年 近代五種ワールドカップ東京大会

写真は2019年の近代五種ワールドカップ東京大会のものだ。ご覧の通りワールドカップなのに空席だらけである。しかもチケット代は無料。それだけマイナーだ。ちなみにフェンシング・ボーナスラウンドの光景である。
近代五種の選手は実のところ各競技に分けて考えると、単独ではオリンピックレベルには達していない。全ての競技のバランスがオリンピックレベルなのである。
そのため馬術が下手くそだとか、フェンシングに切れが無いだとか、その道のファンからは物足りない扱いをされがちだ。
また例えばランが得意な選手がランのための筋肉をつけすぎると、水泳で沈んでしまいスコアが出ないので、バランス良くトレーニングを積まなければならない。
そして最初から近代五種を目標にトレーニングを積んできた選手も少ない。各競技でハイレベルではあるものの今一つ芽が出ず、近代五種に転向した選手も多い。
五種全て練習できる場所は限られていて、そのため日本では警察や自衛隊所属の選手がとても多いのが特徴だ。
その辺の事情を知っていると楽しみ方も変わってくると思う。

多くのことは今後ニュースで紹介されるだろうから、超マイナーな視点で見ると全体的に馬の調子がすこぶる良かった。近代五種の馬術は自分で用意した愛馬では無い。大会運営側が用意した馬に乗るのだ。たまたま抽選で出会った馬と心を通わせなければならない。
そのため馬との相性が悪く、言うことを聞かないことが多々ある。障害を飛び越そうとして馬が躊躇うと減点で、再度飛び越すにもやり直しの時間がかかるのでさらに減点される。さらに複数回失敗すると失格となり0点となってしまうのだ。こうなると復活はできない。運にも左右される。
東京オリンピックではドイツ代表選手が馬をうまく操れずに泣きながらムチでたたいたり、同代表コーチが馬を殴ったりして競技への批判を受けていた。
そのためか近代五種の馬術は今回のオリンピックで最後である。次回からは日本のテレビ発祥のSASUKEをモデルにした障害物競争になる。
最後と言うことで、調教はもちろん選手も含めて気合いの入れ方が違っていたのかもしれない。

一つ気になることを書きたい。
とある企業だが東京オリンピックで「近代五種」のスポンサーだった。応援キャラクターの「ぺんたうるすくん」とか発表して大々的に宣伝して、それなりに盛り上がっていた。
近代五種はマイナーすぎてオリンピック競技から外すか外さないかの議論が良くある。
そのためサイトには「この種を、絶やしてはいけない。」とか記載があったが、スポンサーから外れたら全くの無視らしい。。。
一企業の宣伝なので仕方が無いのだが、一時的に盛り上がればそれで良しという姿勢は、なんだかちょっと腑に落ちない。

次回の2028年ロサンゼルスオリンピックは、日本由来の障害物競技が加わる。メダルも取ったことだし、是非もう少し盛り上がることを期待したい。

コメント