右クリック禁止

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標準ブラウザとして、Internet Explorer 4.0がWindows98に標準搭載され覇権を握りだした頃だろうか?
ウェブページで右クリックをすると「右クリック禁止」のアラートが目立つようになった。
この「右クリック禁止」だが
・自分が作成したHTMLやJavaScriptをコピーさせたくない
・自分のWEBページにある画像の保存を禁止したい
の2点が主な理由だ。
JavaScriptが普及しはじめ、比較的初心者の方でもスクリプトをコピペすれば簡単に「右クリック禁止」のメッセージを表示させることができた。

この「右クリック禁止」だが正直迷惑極まりなかった。
当時はタブブラウザなど無かったから、リンク先を「新しいブラウザで開く」も禁止され非常に使い勝手が悪かった。右クリックする度にのエラーが表示されるのだ。
個人のWEBページはともかく企業のページにも実装されていた。感覚としては2割くらいだろうか?
記述方法についてWEB上に多くの紹介ページがあり、中には設定追加を推奨していることろもあった。

しかしながらこれを回避するのも簡単だった。
Internet Explorerであれば、設定から[アクティブ スクリプト]を[無効にする]に変更するだけだ。
デフォルトは[有効にする]であることと、設定も深いところにあったため全くの初心者には難しかったかも知れない。
ただ一時的に[無効にする]にしておけば、ソースも閲覧できたし画像も保存できた。
しかもこの手のサイトは本当はJavaScriptを必要としていなかったので、事実上閲覧に何も問題がなかった。
単に保護しているつもりになっていただけの様である。
現在に至っては、ユーザーにとって評判が悪く悪影響の方が大きいことから、すっかり「右クリック禁止」のサイトを見かけなくなった。現代ではJavaScriptを無効にしてしまうと閲覧に制限がでてしまう。
試してみたところ、一応Windows7のIE11や、Windows10のEdgeでも動作させることはできるようだ。

性格の悪い自分は、逆にこの手のサイトを解析するのが結構好きだった。
「あぁ、あのサイトから単にソースをパクったのだろうな?」というのが丸わかりで、特段保護する必要もないだろうサイトばかりだった。
もちろん中には当時(今も?)Dynamic HTMLと呼ばれ、今のWEB技術の基礎となるようなオリジナルのJavaScriptを駆使した先進的なページもあった。
それについては理解できるのだが、エンジニアにとってはまるで意味の無い保護だった。

とあるウェブページで、どうやって動いているのだろう?と気になるページがあった。
そこも「右クリック禁止」だ。
もちろん解析を試みたところ

このソースを見ているということは、あなたも物好きですね?
コピーして自由に使って貰って構わないけど、できれば是非リンクをお願いします!

というようなコメントの記載があった。
ソースもきれいで、とても勉強になるようなスクリプトだ。
数種類の機能がライブラリーとして纏まっているような感じだった。

当時はWEBページの管理人としてメールアドレスが公開されていることが普通であり、問い合わせするのも自由だったし歓迎された。
しかしながら当時は今より初心者と上級者の差が激しく、公開してしまうとこの手の質問内容の回答に苦慮したことも事実だった。動かないとか分からないとか言われても知識レベルが違いすぎて困ってしまうのである。訳の分からんクレームを掲示板とかにも書かれるし。
そのため初心者からの面倒な質問を避けつつ「分かる方にはどうぞ」という公開方法だったのだろう。
実際に活用することは無かったのだが、非常に参考になったことは間違い無かった。
ちなみにこのサイトも一部WordPressをSQLiteで動作させるため、改修箇所とかを掲載しているが、間違っている可能性もあるし、分かる方でないと危険なので説明を意図的に割愛していたりする。

「右クリック禁止」を思い出したら、そんなことを思い出した。
おかげさまでエンジニアとして定年を迎えられそうである。

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