憧れだったテレホーダイ契約

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インターネットの過去を話すと必ずと言って良いほど「テレホーダイ」の話題がでる。
従量制だった「みかか代」(おっと死語だ。キーボードでみかかのキートップを見てみよう!)が23時~翌日8時の時間帯に限り定額なるというサービスだった。
アナログ回線は月額1,800円、ISDN回線は2,400円というものだ。
23時を過ぎると同時にインターネットは賑やかになり混雑していた。
私には到底この金額を支払うことができなかったため、加入することができなかった憧れのサービスだ。
今でもこの話を見ると、ちょっと心が痛い。

その代わりに「タイムプラス」というサービスに加入していた。
このサービスは市内3分10円だった電話代について定額の200円支払うことにより、8時~23時は5分10円、23時~翌日8時は7分10円というサービスだった。
当時のインターネットヘビーユーザーからすれば、おそらく知らないサービスだろう。

当時、会社は常時接続のT1回線(1.5Mbps)が用意されていたため、まぁインターネットは見放題だった。自分宛のメールと会社で閲覧するのはどうか?というサイトだけ自宅で閲覧していた感じなので、月に5時間程度の接続で済んでいた。

自宅で使っていたのは56Kモデムだった。
当時あまり話題にはなっていなかったが、アナログモデムには圧縮転送機能が備わっているもののISDNモデムには実は無かった。今では当たり前の様にサーバー側で圧縮してデータ転送するが、ブラウザとサーバーの双方が対応するのは、もう少し後の事だ。そのため2000年代前半位までは、テキストデータに限るがISDN回線よりも56Kモデムの方がパフォーマンスが良い場合が多かった。
ちょっと強がりを言っているが、心の慰めだよね。。。

そんなこんなで自宅のインターネットへの接続は「タイムプラス」に最適化した。

当時はダイアルアップが普通だったので、回線接続と同時に何分経過したか表示するフリーソフトが多く公開されていた。このソフトに表示されている時間が「5分」または「10分」と表示されれる寸前に回線を切っていた。そうすれば最もコスパが良かった。

56Kモデムは必ず56,000bpsで接続できるものでは無く、回線ノイズによって接続できる速度が違っていた。
56,000bps→54,667bps→53,333bps→52,000bps…
と順次つながるかをチェックしながら、回線接続速度を決めていく。
また接続速度が速ければ良いという物では無かった。速すぎるとノイズに負けて返って遅くなることがあった。
自宅では安定しているのが45,333bpsだった。
標準のままだと56,000bpsから45,333bpsへの接続を決めるまで十数秒かかっていた。それだけインターネットへの接続が遅れる。
そのためATコマンドと呼ばれるモデムに対する命令を手動で記載して、直接45,333bpsから接続するように改良していた。
これで十数秒の時間を稼いでいた。

そして先読みソフトの導入だ。
接続したサイトに対してリンクを見つけると、順次そのページを先読みしてダウンロードしてくれるものだ。
リンクをクリックしたらデータアクセスをするのは分かるだろう。これは今も昔も変わらない。
このソフトを使うことによりクリックする前に、予めダウンロードしてしまうのである。
今は通信データ量で課金されるが、当時は通信時間が課金の対象だった。ここが今とは大きな違いだ。
接続している5分の間、常に全力で通信を発生させて可能な限り先読みしてダウンロードしまくるのがコスパが良かった。
回線を切断した後、ゆっくりとダウンロードしたデータを読むのだ。

23時からだと7分10円でお得だという方もいるだろう。
実は23時からだと混雑してパフォーマンスが今ひとつ上がらなかった。
そのため23時までに接続終了するのが最も効率が良かった。
こうして通信代を節約していたものだった。

そんな憧れの「テレホーダイ」も役目を終えて、遂にサービスを終了してしまった。一緒に「タイムプラス」もひっそり終了している。
「テレホマン」という言葉はあったが、自分は「タイムプラスマン」だった。懐かしい思い出である。

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