
ThinkPad X61だが、起動するとCMOSエラーがでるようになってしまった。
単に内蔵ボタン電池の寿命である。
この手の電池はだいたい5年位が寿命だ。そのためか本体寿命だと思って捨ててしまう方も多いが、交換してしまえば何も問題なく立ち上がる。
冷静に考えると今まで一度も電池交換をした記憶が無い。おそらく15年位持ったのでは無いだろうか?
一般的なPCは分解の手間を除けば100円ショップでも販売されているCR2032を交換するだけだ。通常は電池ホルダーに入っているので、分かってしまえばとても簡単である。ただThinkPadも含めて一部のノートパソコンは専用の電池が必要になる。
一応、Windows10の32bit版が動く最後のPCとして今年の10月までは取っておく予定だが、今更このPCにお金をかけたくない。互換品の専用電池は安くても500円位するし、それに送料が加わる。
実のところ専用電池と言っても、CR2032かCR2025に対してケーブルコネクタを取り付けているに過ぎない。
ThinkPad X61はCR2025を使用しているのを知っていたので、2個入りのものを100円ショップで調達してきた。修理代は100円である。
この頃のThinkPadは保守マニュアルが公開されているので分解はとても簡単だ。キーボードを外すとCMOS用電池が現れるのだが、キーボードを外すネジは本体裏側にあり親切にも印刷されたマークで教えてくれる。4カ所のネジを外して液晶側にキーボードを押し込むとカポッと外れるのだ。迷うことも無いだろう。今回はキーボードのコネクタを外す必要も無い。
キーボードを外す前に電源が入らないよう本体バッテリーを外す必要あるが、バッテリーを外さないと取り外し用のネジが現れない。安全に配慮した親切設計に感心する。

この電池を交換する。
基板に接着剤で強力にくっついているが、コネクタを外してひねるように力を入れると取れる。

黄色いビニールをカッターを使用して丁寧に剥くと、こんな電池が現れる。見ての通りCR2025だ。
電極は接着されているので、外すのは少々テクニックが必要だ。ちょっと固いが巻き取るようにラジオペンチでゆっくり剥くと外れる。昔のコンビーフの開け方と同じ要領だ(老兵世代しか分からないかも知れない)
仮に途中で折れても大した影響は無い。通電できればそれで良い。
剥がしたら、同じようにくっつける。
所有していれば導電テープでくっつけるのが一番良いが、持っていない人が大半だろう。導電性接着剤もあるけど高すぎだ。これを買うくらいなら素直に専用電池を買った方が良い。
電池に直接ハンダするのもやめた方が良い。リチウム電池なので運が悪いと熱で爆発する可能性がある。
個人で使う分には、単に絶縁ビニールテープでくっつけてしまう程度で問題ない。外れなければ良いのだ。持っていなければ100円ショップでも販売されている。セロハンテープは劣化するのでダメ。

ボタン電池の裏側(マイナス側)は、構造的にショートしやすい。裏側に見える細い円周の溝がプラスとマイナスの境だ。絶縁ビニールテープで挟み込むなら一手間かけて溝が見えなくなる様に保護するのがおすすめだ。仮に電極が抜けてもショートが防げるので安心である。元々の電池も青いビニールが一周しているが、同じ理由だ。
プラスマイナスを間違えないように電極を挟み込んだらビニールテープできつく巻き、さらに電池が見えないように完全に保護する。たったこれだけで完成である。

ちょっぴり雑だがこんな感じだ。どうせキーボードを付けたら見えない。
分解と逆の手順でキーボードとネジを取り付ければ完了である。15分位の作業だろうか?
電源を入れた後、念のためBIOS設定を初期化した後に、時刻を再設定すれば完了だ。
同じエラーがでなくなったら成功である。
これで今年の10月までは余裕で大丈夫だろう。ネイティブで懐かしの16bit版のプログラムを使える最後の機会を得た。
ところで余ってしまった、もう一個のCR2025の使い道が全く無い。100円もかけてしまって、ちょっと悔しいのである。
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