フロッピーディスク

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もうフロッピーディスクなるものを知らない世代がでてきた。Excel等の保存アイコンとして残っているが、実際に使用することはもう無いだろう。
自宅にはバックアップとして、いくつかフロッピーディスクはまだ残っている。
データは既に移行してあるので、MS-DOSの起動ディスクとかだ。

フロッピーディスクは実は8インチが標準サイズだ。超高額だったので実際に使ったことがあるのは大手企業の電算室等で働いていた人くらいだろう。もう軽く定年を超えている世代だ。実際に普及しはじめたのは5.25インチからだと思う。それでも初期はドライブ自体が高額で標準搭載されている機種は上位機種のみだった。
5.25インチのフロッピーディスクは小型化されたので「ミニフロッピーディスク」といい、3.5インチのフロッピーディスクはさらに小型化されたので「マイクロフロッピーディスク」という。

5.25インチのフロッピーは本当にペラペラだった。そのため雑誌の付録として良く使われており、まだインターネットなど普及していない頃は、このフロッピーディスクからフリーソフトを得ていて貴重な媒体だった。ざっくりとWindows95発売前までは5.25インチが共通のデータ受け渡し用の媒体だった。コスト的に5.25インチの方がメディアが安かったのが理由と思われる。そのため3.5インチの機種を利用していたユーザは外付けの5.25インチドライブを追加している人も多かった。
Windows95発売以降はCD-ROMが普及し始めたものの、CD-Rはまだまだ非常に高価でCDは読み込み専用で利用されていたのみだった。そのためデータ受け渡し用のメディアはまだまだフロッピーディスクだった。しかしながらこの頃は5.25インチのみを標準搭載したPCは発売されていなかったので、3.5インチへの移行が即された。古くからのユーザー用にデータ移行ができるようAドライブは5.25インチ、Bドライブに3.5インチを搭載したPCも発売されていた。

過渡期は3.5インチのメディアを付録している雑誌もあったが、すぐにCD-ROMに移行した。3.5インチは厚みがあることと、金属が利用されているからか実際は雑誌の扱いではなくムックでの扱いだったので障害になっていたのかもしれない。

3.5インチフロッピーの前後 IBMサーバの交換用保守部品だったもの

フロッピーディスクの端子は専用端子を使用しており通信用のケーブルと、電源ケーブルが別々だった。5.25インチ用の接続ケーブルと互換性はあったが端子は異なるという仕様だ。さすがに今のマザーボードでは端子そのものを見かけない。
このフロッピーの端子だが、逆刺し事故がそれなりにあった。後期のケーブルは逆刺しできないように端子が工夫されていたし、本体側にも逆刺し防止回路が搭載されていたのだが、初期はそんな気の利いたものはなかった。逆刺しするとドライブのランプが点きっぱなしになり、そのままお亡くなりになるのだった。

意外と知られていなかったのが、書き込み禁止のライトプロテクトノッチだ。フロッピーディスクの端に写真のようなノッチがついており、穴を開けた状態だと書き込み禁止にできた。間違えてファイルの上書きだとかの事故は今でもあるが、これをしておけば安心だった。5.25インチのフロッピーディスクと比べるとちょっぴり高機能だった。

5.25インチも同様な機能はあったのだが、切りかけを不透過な銀色のシールなどで覆うことが書き込み禁止だった。このシールだが適当に貼ると結構剥がれるのだ。
フロッピーディスクの内部で剥がれると大事で、シールだから中々取り出せなかった。やむを得ず奥に押し込んで「見なかったことにする」こともあった。そのためシールを使わない人もそれなりにいた。それが3.5インチだとプラスチックのノッチだったので安心感抜群だった。
ちなみに8インチの場合は、指定した箇所をはさみで切り取る(専用の道具もあったが)というイカれた仕様だったので、実際に切り取ったことがある人は少ないと思われる。段々進化しているのだ。

フロッピーディスクは2011年に発売中止になったが、未だに必要な方は何に使っているのかが大変気になる。Excelの保存ボタンも3.5インチフロッピーディスクから進化することはあるのだろうか?

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