シメイ・ブルー

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ベルギーにあるトラピスト会のスクールモン修道院で醸造されているビールである。
トラピスト会で有名な格言は「天国に酒はない。生きているうちに飲め!」だ。

シメイ・ブルー 左2015年製造 右2019年製造

シメイには5つの銘柄があり、ブルー、レッド、ホワイト、そして門外不出だったのに何故か飲めるようになったゴールド、醸造開始150周年を記念して2012年にのみ限定醸造されたのに何故か定番化されたグリーンがある。
このシメイ・ブルーも元々クリスマスビールとして発売されたものが後に定番化された。

ベルギーはビールでとても有名だ。その中でシメイはトラピストビールのカテゴリにあり、トラピスト会の修道院で作られる上面発酵ビールのことである。トラピスト会以外の修道院が作ったり、トラピスト会の修道院ビールを他の醸造所に委託して作った物をアビイ・ビールとして区別されている。
中世のヨーロッパでは飲み水が大変不衛生で疫病がはやっており、それを防ぐためにワインを醸造していたのだが、ベルギーでは緯度の関係でワインの醸造が難しかった。代わりにビールを醸造したため非常にビール作りが発展した。当時は修道院が知の宝庫だったので修道院主導で作られていたのである。

日本のビールは基本的に下面発酵で最後に酵母を濾過するが、このシメイは非熱処理で非濾過にて瓶に入れられる。また少量の砂糖も入れられるため、瓶内で二次発酵し時間とともに味が微妙に変わるのだ。また元々保存用の飲料水として作られていたことから賞味期限が5年と非常に長い。
特にこのシメイ・ブルーはビールには珍しくヴィンテージ(年代)が打たれている。年代によっても微妙に味が異なるのだ。ただ過去4年分のシメイ・ブルーを用意して味比べをしたことがあるが、アルコール度数9%もあるためベロベロになってしまい味の違いは分からなかった。。。
写真の2019年製造のこのビールは2024年11月までの賞味期限でそろそろ切れそうだ。
2014年製造の方は2020年12月でとうに切れている。

通常常温保存でいいのだが夏の暑さで品質がおちてしまう。そのため冷蔵庫の野菜室で保管しており、ゆっくりと熟成させているのだ。
何故そんな事をしているかというと、先にも書いたが味が変わり熟成が進むと非常にまろやかになり大変おいしくなるのだ。このビールは賞味期限が切れてからが勝負だと思っている。7年物は経験済みだが10年はまだ経験していないので試してみたいのである。
ちなみに管理を怠ると瓶からビールが噴出(爆発)してダメになってしまう。2014年の方はかなりラベルが劣化しているが爆発したビールの被害に2度もあったためである。過去には冷蔵庫もダメにしたのだが、懲りずに続けている。

1本のビールを飲むために手間と時間がかかるものだ。


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