アンゴスチュラ・アロマティック・ビターズ

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ラベルにはそう書いてあるが、名前が長いので「アンゴスチュラ・ビターズ」という方が一般的だと思う。
ちょっと前に終売になったとか、アル○業界ではちょっとした話題になったお酒だ。
ラム酒がベースの苦味酒で、兵士の胃の不調を直すための薬酒が始まりである。
このお酒はカジュアルバーにはまず置いていない。逆にオーセンティックバーには大抵置いてある定番の一本だが、それほど量を使わないお酒でもある。小型のBARだと1~2年位は無くならないんじゃないだろうか?

このお酒がメインになることは無いが、お酒の名脇役である。
マンハッタン、オールド・ファッションド等の有名なカクテルで使われるので、無いと困るお酒だ。
バックバー(お酒がズラーッと並んでいる棚)には置いては無くて、隅っこや別の場所に置かれていることが多い。
このお酒を目当てに飲むことはなくて、お酒の調味料(という表現はどうかとも思うが)として使う物だ。
間違ってもストレートで頼んではいけない。このお酒は一滴一滴でるようになっていて、ドボドボは入れられない。辣油みたいなイメージだ。
ダッシュ(Dash)という単位で使われるお酒で、3滴使う場合は3ダッシュと呼ばれる。

BARでジントニックに飽きたら、このお酒を数滴垂らしてもらうと味変になってまたおいしい。自分だけのカスタム感もでておすすめだ。

いやそれでもストレートで飲んでみたい。だって胃薬じゃん?と思った方は、それはそれで正解だ。
初心者は手に一滴垂らして舐めてみると、どんな酒か分かるだろう。
顔なじみのBARなら味見に応じてくれると思う。小さなショットグラスに2~3ダッシュ入れてくれるかな?

いやいや俺は通である。という方は是非自宅用に1本購入してほしい。
腰に手を当て、おもむろに3ダッシュ口の中に垂らしてみよう。
強烈な薬の香りが鼻腔を駆け抜け、その後口いっぱいに苦味が広がるはずだ。
この苦味は少々水を飲んだくらいでは許してくれない。数分にわたり楽しませてくれるのだ。
なぜ数滴使えば十分なのか良く分かると思う。
えっ胃の調子が悪い?苦味の方が強烈で、治っている気がするだろう。

お酒は苦手だけどBARとか行ってみたい!と言う方には、このお酒を使った「フロリダ」というカクテルが今の季節におすすめ。
オレンジジュース、レモン、アンゴスチュラ・ビターズを使ったお酒で、目の前でシェークしてもらえるので楽しめると思う。
一応ノンアルコールのカテゴリだけど、ちゃんと数滴アルコールが入っているので立派なカクテルだ。堂々と頼んでみても別におかしくない。チェイサー代わりにも良いだろう。
無理矢理飲まされそうになった時用に、このカクテルの名前を覚えておくと良いかも?
大抵のバーテンダーは、このカクテルを頼まれたら察してくれるはずだ。

この酒は買って10年は経つが、全然減らない。
あと10年はもちそうだ。

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