1996年のある日、突然会社にPCサーバーとWindows95のPCが3台ほど届いた。
大きな荷物で何だろう?と思っていたら、いきなり「Nouno設置しろ!」という業務命令が下った。
どうやらWindows95も発売され、会社としてインターネットに接続する準備を整えたかったらしい。
会社は基幹システムとしてAS400(いわゆるオフコン)を稼働させており、受発注業務のためデジタル専用線については各拠点に巡らせていた。128Kbpsという速度だった。
一応、開発部門だったので最初のテスト拠点として白羽の矢が立った。
そこまではいいのだが、どうやら当時の情報システム部門もサーバー設置は面倒だったため、ダメ元で自分にやらせる方向で話がまとまったらしい。
ただネットワークについてはAS400のSNAからTCP/IPへの移行は完了しており、インストールして繋ぐだけだった。
当時のネットワークケーブルは同軸の10BASE-2を基幹として、適当な間隔ごとに10BASE-Tのハブに繋げる方法が多かったように思う。またTCP/IPよりもNetWareの方が遙かに主流だった。
拠点内には、MS-DOSで稼働するIBM PS/55のPCが数台あったのだが、こちらはNetBEUIというプロトコルで稼働していた。
サーバーの設置といっても、単にWindowsNT Server 3.51をインストールすれば良かった。ファイルサーバーとして稼働できれば良く、ドメインコントローラとしてのインストールまでは求められなかった。正確には「ドメインコントローラ」という言葉を誰も知らないので指示もされなかったのが正解だ。
初めて触るサーバーOSでしかも誰にも教えて貰えない状況だったので、もろもろ確認するのに数日はかかってしまったが、インストールそのものには半日もかからず苦労はしなかった。ただプリインストールはされておらず、フロッピーディスクからの通常インストールが必要だった。たしか3.51はOEM版は無かったように思う。
非常に旧式なユーザーインターフェイスだったが、MS-DOSの画面に比べれば遙かに先進的だ。自宅でWindows3.1を使っていたので、設定するのも特に苦では無かった。むしろ楽しんでいた。時間があったので2回インストールしてみたし。
ファイルサーバーとしてもTCP/IPとNetBEUIの双方からアクセスできるようにして、喜ばれたのを覚えている。情報システム部門とは疎通チェックをして完了だ。
ついでにWindows95のPCについても設置をした。拠点の偉い人向けのPCとして用意されたのだが、当時の偉い人はキーボードの入力すら危うかった。どちらかというと、設置より使い方を説明する方が遙かに面倒だった。まだインターネットにも繋げないし。EXCEL?表計算?ここからの説明から始まった。
すぐに「こんなものは邪魔だ」と言い始め回収したのだが、若い衆のおもちゃになったのは言うまでも無い。
今思えばWindowsNT Server 3.51を触ったことがある人は、そうそういないかもしれない。貴重な経験だった。おそらく大して苦労もせずサーバーを設置できてしまったのが原因で、その後面倒な仕事を色々押しつけられるようになったのだった。。。
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