初めてのビデオカード Power Window GX/4VC

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1997年後半の頃である。1995年は最新だったPentiumも時代遅れとなって、1997年5月にはPentium IIが発売された。この頃のPCの進化は凄まじかった。あっという間にハイエンドがエントリー機になり、最新を追い続けるには半年に一度PCを買うような事が必要だった。どう頑張ってもPentium IIには改造ができないので、まずは最新に近づけるべくビデオカードを購入してみた。
カノープス社製の「Power Window GX/4VC」である。

当時カノープスのビデオカードは、それなりに高画質で、それなりに高速で、それなりのお値段の商品を販売していた。どちらかというとマニア向けの商品である。定価で49,800円もして、しかもPC98シリーズ用には別途PC-98対応キット 3,800円も購入する必要があった。
ViRGE/GXというチップが載っており、開発会社はS3社という画像処理関連ではそれなりに有名な会社ではあったが、当時から勢いのあったNVIDIAを前にして今は消えてしまった。
この当時としてはやや大きめの4MBのビデオメモリーを積んでおり、ほんの数年前はメインメモリですらそれに達していなかったことに驚愕したものだった。現代では一桁値段が違う超高速の3Dビデオカードが販売されているが、特に欲しいとも思わない。内蔵GPUで十分である。

このビデオカードは3Dにも対応しており、ローエンドながらそれなりにゲームも楽しめるのが売りだった。他の特徴としてはビデオキャプチャー機能が付属していた。320×240のサイズながらも動画を保存できたのである。当時としては画期的な機能で、ザ・マルチメディアという感じだ。
黄色のビデオ端子が懐かしいが、ここにビデオ機器を繋げてビデオキャプチャーするのである。主にVHSのビデオ機器からTV映像を入力させて画面表示させていた。Windows95のウインドウ内にテレビが表示されるのだ。それだけでとても新鮮なのにデジタルデータとして保存ができた。
ただ残念ながら長時間の保存はハードディスクの容量が足りず事実上10分程度が限界だった。
当時メールが普及しつつあったので、メール添付でビデオを送ってみたことがあるが、このビデオカードを使ったものだ。非常に懐かしい思い出である。

ビデオキャプチャー機能は長いPC歴の中でこのカードが最初で最後だ。しかしながら実際に使ったのは2年半くらいである。今は安いスマホがあれば全て簡単にできてしまうが、若い頃はハイテク技術を楽しむのが妙に嬉しかった。そんなことにお金を使っていたため、常に金欠だったのが苦い思い出である。

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