Windows95になって目玉の機能が長いファイル名のサポートだった。
今では当たり前だが、MS-DOSの時代はいわゆる8.3形式までが仕様で、前半のファイル名が半角8文字、後半の拡張子が半角3文字までだった。もちろん日本語対応のMS-DOSなら日本語のファイル名をつけることができたが前半は全角4文字までである。ただコマンドラインからファイルのコピーをするとき等に、日本語のファイル名だと漢字変換をする必要があり、非常に面倒なのでよほどのことが無い限り、半角英数が一般的だった。
Windows95になってこの制限が撤廃され最大250文字までとなった。それにより過去を知らない多くの方は日本語のファイル名を好んで付けたのだが、PC歴が長い人ほど、なぜか8.3形式に拘った。自分も長い日本語のファイル名を付けることに抵抗がなくなるのに2年程度かかったものだ。もしも8.3形式でないファイルを見たときは、強烈な違和感を感じる程だった。
一応MS-DOSとのファイル互換性が重要だったのだが、「MS-DOS→Windows95」はもの凄く重要な事だったが、「Windows95→MS-DOS」はほとんど意識されなかったのが現実だ。同じ拡張子でもユーザーインターフェイスが全く異なるため、読み込んでも正しく表示ができなかった。そのため下位互換性はあまり考慮になかったので、8.3形式に拘る必要も無かった。
特に当時の拡張子「.doc」ファイルはプレーンなテキスト形式が一般的だったが、Windows95になるとWord95の形式にバージョンアップされ、MS-DOSでは全く読むことができなかった。ちなみにこれはMicrosoftはかなり批判を受けたが、知らない世代にとっては何の事だか分からないため、今ではWordの形式として一般的に認識されている。その位、変化が大きかった。
それでも何故か8.3形式に拘ったものだ。はっきり言って老害である。
今となっては一般的な使い方では8.3形式はほぼ絶滅しているのだが、特にWindowsのコマンドプロンプトではこの8.3形式は生きている。
困ったことにコマンドプロンプトは8.3形式を知らない世代にとっては、とっても非常に使いにくいし、知っている世代でも問題が発生する。
たとえばファイル名に対して検索をするときに、ワイルドカードと呼ばれる形式を使うとこがある。「*.doc」等と検査するのだが、Windowsは「.doc」の他に「.docx」も検索がヒットしてしまうのだ。
過去の互換性のため実は未だに8.3形式のファイル名も裏で自動保存しているのが原因である。「.docx」は「.doc」の名前も裏では持っているのだ。そのためヒットしてしまうのである。
もちろんこの機能をOFFにすることはできるのだが、パワーユーザーでなければ難しい。正直標準をOFFにするのがいいと思うのだが、未だにONである。ある意味、老害のために30年も互換性を維持しているのだ。
ちなみに今でも自分が実行ファイルやバッチファイルを作る場合は、なぜか未だに8.3形式のファイル名だ。全く意味が無いのだが、どうしても癖を直すことができない。一般的なファイル名なら抵抗感は全く無いのだが、実行ファイルとなると何故か話は別なのである。
もしかしたら、そういう人のために互換性を維持しているのかも知れないと思う今日この頃である。
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