当時の企業の良くあるトップページはこんな感じ
株式会社○○○のホームページ
いらっしゃいませ~ m(_ _)m
あなたは番目のお客様です
当時はPerlが使えるプロバイダは多々あったが、トップページのカウンターを文字出力するような事は難しかった。
しかし、どうしても「○○番目のお客様」と表示して歓迎したかったようだ。プロバイダーが用意したGIF画像でのカウンター表示を利用することが多かったのだが、残念ながら微妙に文字サイズと画像サイズが合っていなかったのが普通だった。
個人ホームページなると、もう少々派手な感じだ
□□□のホームページ
BBSはこちら
キリ番ゲットは踏み逃げ厳禁
工事中。。。
カウンターにはこだわりを持つ方が多かった。プロバイダーが用意したアクセスカウンターでは物足りずに、外部サービスを利用したり完全に自作している人も多かった。
このアクセスカウンターだが、切りのよいカウンター番号が表示された場合、掲示板に報告しなければならない謎のルールを強要している方が多かった。たまたま閲覧してしまった初心者は非常に動揺したものだ。
ちなみに自分は完全に無視する派だったが、後で管理人が怒り狂っているような投稿を見たことがある。近づかないのは吉だった。
そしてアニメーションGIFである。今はほとんど見かけなくなったが、ホームページに動きのある画像を張り付けるのが流行った。ちょっとしたアイコンもである。
ほぼすべての画像がアニメーションするのは普通だった。
あまりに張り付け過ぎて非力なパソコンだと閲覧が困難なサイトもあった。そんな場合は[ESC]キーを押すと、すべてのアニメーションが停止し落ち着いて閲覧ができた。
今となっては知っている方も少ない、当時のブラウザの基本機能だろう。
工事中のアイコンもよく見かけた。今では全く見ることが無くなった。一応「ここに面白いコンテンツを作るから後で見にきてくれよな!」という意味で設置されていたものだが、待てど暮らせど更新さないサイトが多かった。そんなサイトもアクセスカウンターだけはしっかり設置されていたものだ。
個人的見解だが、アクセスカウンターは今でいうところの「いいね!」ボタンのようなものである。またフォロワー数を兼ねていた。承認欲求を満たすために必要だったのかもしれない。
また掲示板によく書き込むユーザーにとっては、アクセスカウンターはゲームのEXPのような効果があった。発言力のようなものだ。そのようなユーザーは特に自分のホームページを持っていたものである。
アクセス数10,000クラスのユーザーは100,000クラスのユーザーにはとても敵わない。現代のタワーマンションの如くヒエラルキーが存在した。
100,000以上だと人気サイトの仲間入りだった。周りに取り巻き見たいな方も見かけるようになる。そうなるとなぜかイキり始める方もいたものだ。しかしながら突如現れた1,000,000クラスの方に窘められている光景もあって中々面白いものだった。
自分のサイトのアクセス数を増やそうと、人気サイトへリンクを張り、代わりにそちらもリンクをして!という依頼をする人も絶えなかった。人気サイトの方にとっては迷惑極まりないし、逆はほとんどなかった。
もちろんアクセスカウンターは自分で作成もできた。最初から10000アクセス位から始めるような人もいたし、ひどい人になると1アクセスで数アクセス増えるような倍速カウンターを設置する人もいた。
それだけアクセス数は指標として重要だった。
当時のアクセスカウンターは、データベースを使わず普通のファイルで管理していた。そのためファイルのロック処理が弱かった。
Aさんがアクセスカウンターを表示中に、Bさんがアクセスカウンターを表示しようとすると同時処理になってしまい、ファイルが消えてしまうのである。
するとゼロからの始まりである。自作カウンターの場合は修正できたが、プロバイダーが用意したものはどうしようもなかった。
そのため
+100,000
の様な形で、悲しげにアピールしているサイトもよく見かけたものだ。
一応、このサイトも今風に作っているつもりだが、20年後は懐かしのデザインとなるのだろう。
コメント