インターネット広告との闘い

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はじめてインターネットに繋いでから、鬱陶しい広告が悩みの種だ。
実のところインターネット創成期から広告はほとんど見ていない。広告そのものを表示させないよう意図的に除去しているのだ。
最近ではウイルス配布や詐欺広告などにも利用されているため、セキュリティ対策としても除去した方がよいと思っている。

もちろん無料でサービスしているため広告収入を得ないと仕方が無いのはわかるのだが、今は特にひどい状況だと思う。
2000年位まではダイアルアップでの接続が普通だったので、広告のダウンロードに帯域を使われるのは非常に苦痛だった。
ただ当時はスクロールすると追いかけてくるような広告は無く、広告も小さいものだった。それでもチカチカして鬱陶しいのは今と変わらない。

Windows95の時代は、hostsファイルと呼ばれるファイルを書き換えることで広告除去に対応していた。
通常、例えば www.nouno.com がどこにあるのかはDNSサーバと呼ばれるものが教えてくれる。今となってはかなり特殊な状況でしか使用しないのだが、hostsファイルを使用すれば www.nouno.com が何処にあるか手動設定できる。

仮にhostsファイルに

0.0.0.0 www.nouno.com

と指定すると、hostsファイルが優先されてこのサイトには一切繋げなくなる。
0.0.0.0は通信できないことを示すのだが、通常自分自身に繋ぎに行く。結果繋げないので表示されない。
これは今でも使える技だが、大手広告サイトへの広告禁止には抜群の効果があった。
そもそも広告サイトに接続に行かないので、インターネットの高速化にも非常に役に立っていた。

IE4が普及したころ、今度はJavaScriptによるWEB広告配信が始まった。こいつは今ほどではないが、鬱陶しい広告の始まりだ。
JavaScriptは標準でONだったが、IE3等対応していないブラウザを使用している人はまだまだ多かった。そのためWEBサイトもJavaScript有り無しで表示を変えるようなHTMLを書くのが普通だったので、意図的にJavaScriptをOFFにしていた。これだけですっきりとした画面となったので、しばらくは我慢してやり過ごしていた。
2000年頃になるとブロードバンドが普及し始め、段々弱小広告会社が市販の広告配信ソフトを利用してWEB広告を出すようになってきていたので除去しきれなくなってきた。広告配信ドメインが増えて管理しきれなくなってきたのである。

そんな中登場したのが、proxomitronというソフトだ。

おそらく今の広告除去ソフトの元祖ともいえるソフトである。
ブラウザーからこのソフトにアクセスすると、このソフトが代わりにWEBサイトにアクセスし、その応答をブラウザに返すというプロキシサーバーと呼ばれる機能を持っている。
ただ通常のプロキシサーバーと違うのは、広告に関するHTMLタグをすべて消去してくれる優れものだった。
同じ広告配信ソフトを使用した広告の場合、ほぼ同じHTMLの記載だったので完璧に削除できた。
しかも広告が消えた個所は透明な画像等で代わりに埋められ、見た目のデザインは広告有り無しで崩れることはなかった。もちろん広告サイトへの通信もしない。
個人的にはこのソフトは衝撃的だった。アイデアが凄いし何より高速で動作した。

このソフトは広告嫌いの人にとって世界的に普及した。
フリーソフトウェアでは無く「少年ウェア」という謎のライセンス形態だった。このソフトの作者が日本の「少年ナイフ」というバンドが好きだったので、CD等を買い作者へ感想をメールする等することでレジストされた。一応個人利用の場合はレジストを免除されていた。
ソフトウェアの性格から英語以外に日本語パッチもあったため国内にも普及した。

当初は、どこのリンクから来たのか(Referer)を隠すために、当時の「少年ナイフ」の公式サイトから来たと書き換える仕様だったのだが、アクセス履歴を見た管理者が「少年ナイフの」管理者へ問い合わせをかける人が続出したという位に普及したソフトだった。

2004年の5月に突然作者の方が無くなってしまったのだが、その後ブラウザにアドオンで利用する「AdBlock」等のソフトが登場するまで使い続けたソフトだった。
非常に思い出深いソフトである。

ちなみに今はスマホも含めて「ublock origin」を利用している。
今は広告除去ソフトを使用したブラウザの接続を禁止するサーバーも現れた。
が、それをさらに除去するソフトも現れ戦いは続いている。

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